湊かなえの「未来」を読んで思うこと。自分より困難な状況にいる人を思い浮かべると、今に感謝できる

 

湊かなえの小説「未来」が私に教えてくれたこと

先日、湊かなえの小説「未来」
(朗読:のん)
をオーディブルで聴きました。

機能不全家族、貧困、いじめ
といった問題を扱っているため、
聴いていてつらくなる描写もあった
のですが、
のんさんの朗読と作品の
持つ力がすさまじく
一気に聴いて
しまいました。

「未来」は、著者の子供の貧困を
身近な問題として
知って欲しい
という思いから生まれた作品なのだそうです。

この小説を読むことで、
問題の根深さを知ると同時に

自分が持っている豊かさ
気づくことができました。

私たちは、えてして今手にしている豊かさを
見過ごして、
足りないものに目を向けがちです。

仕事やお金、夫婦関係などでうまくいかないことがあると、
問題ばかりにフォーカスしてしまいますし、
「スリムな体」や「素敵なパートナー」や「輝かしいキャリア」
を手に入れたらもっと幸せになれるはずと思ってしまいます。

私は不幸で惨めだと思い込んでいたときに現れた一人のクライアント

 

私自身、仕事が上手くいかなくて
お金に困った時、

自分はなんて不幸でダメな人間なんだ
という
自己否定の沼にハマって
しまった時期がありました。

そんな時、一人のクライアントさんが私の元に現れました。

とても複雑な家庭環境で育った女性で、失業中でお金もない中、
勇気を出して私のワークショップに参加してくれたのです。

彼女と話して「自分はお金がなくて惨めで不幸だ。」と
塞ぎ込んでいた自分が恥ずかしくなりました。

私などよりはるかに大変な境遇にいて、
苦しんでいる人がいるという事実を知ったからです。

彼女は私に
• 私は不幸だという思い込みは
自分が作り出している幻想にすぎない
• 誰かのことを想った時、マインドの枠から
抜け出し今に感謝できるようになる
ということを教えてくれました。

それ以来、
「自分はなんて不幸なんだろう」
と思った時は、
彼女のことを
思い出すようになりました。

私の人生もそれなりに大変だけど、
彼女だって悩みながら
前を向こう
としていたのだから、もう少しできることを
やってみようと言い聞かせたのです。

そうしたら、
ネガティブな思考と感情の
沼から抜け出て
前を向けるようになっていきました。

人は誰かを想うことで強くなれるの
ですね。

虐待や子供の貧困と聞くと、
自分とは関係がなく、

遠い場所で起きている
ように感じてしまいますが、
苦しんでいる誰かを思い出すことは
私たちの気づきを育て、

小さな行動を起こすきっかけとなります。

 

だからこそ、現実の厳しさに目を向けつつ、
今の自分ができることを積み重ねていきたいと思うのです。

湊かなえ 未来


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