ファミリーコンステレーションは、家族や人間関係に深く関わる“見えないつながり”を明らかにし、そこにある無意識のパターンや感情の絡まりを癒していくセラピーです。ドイツ人セラピスト、バート・へリンガー(Bert Hellinger)によって体系化され、世界中で広がりを見せてきました。
自分の中の「なぜか繰り返してしまう問題」や「説明のつかない苦しみ」が、実は家族の歴史や集合的な体験に根ざしていることも少なくありません。このセラピーは、そうした無意識のつながりに気づき、そこに新たな視点と理解をもたらすことで、関係性の改善や心の変容を促します。
近年では、Netflixのドラマ『出会えていなかったもう一人の私(Another Self)』の中でファミリーコンステレーションが主要なテーマとして描かれたことで、世界的にも注目を集めています。
どのように行うのか?
グループセラピーでは、クライアント(相談者)が自分の家族やテーマに関係する人を、他の参加者の中から「代理人」として選び、部屋の中に配置していきます。代理人たちは、その位置に立つことで自然と感情や身体感覚を感じ取り、その人自身のようにふるまうことができます。
この動きや表情、言葉などから、家族や関係性の中で起きている深層の力学が浮かび上がってきます。ファシリテーターはその流れを読み取りながら、必要な介入や「癒しの言葉(ヒーリングセンテンス)」を用いて、つながりを調整し、バランスを回復していきます。
クライアントは、家族の中で何が起きていたのかに気づき、理解を深めることで、自分自身の進むべき方向を見つけ、人生に愛と調和を見つけることができるようになります。
どのような効果を期待できるのか?
* 家族に対する理解を深め、確執や対立から自由になる
* 抑えていた感情や心の重荷が軽くなる
* 同じパターンの繰り返しから抜け出せるようになる
* 人生に対する安心感や信頼感が育つ
* パートナーとの関係性(別れるか、一緒にいるかなど)を明確にする
* 自分自身の本質に近づき、より自由に生きられるようになる
* タバコ、お酒、SNSなどの依存を手放す
* 病気や慢性的な症状に対する理解を深める
個人セッション
個人セッションでは、人の代わりにクッションやフィギュア、紙などのシンボルを用いて「配置(コンステレーション)」を行います。クライアントが実際にその場に立ったり、位置を動かすことで、内側で何が起きているのかを体感的に見つめていきます。
他の人がいない分、よりプライベートで静かな空間の中で深く自分自身と向き合うことができます。また、セラピストとの対話を通じて、自分では気づきにくかった感情や思い込みを明確にし、癒しのプロセスを進めていきます。